上司に不満があり辛い時には軽率に会社を辞めてはいけません

 

どんな仕事も3年でその仕事の基礎が理解でき、その仕事が自分に合っていると思うと、さらに改善や新たな挑戦や自分らしさを仕事を発揮できないかと考え出す時期になります。

 

そんな3年も過ぎ、私は新たな画期的な新製品開発に向け、社内の研究所に要素技術開発のために2年間の予定で派遣されました。

 

エンジニアにとっては、こうしたチャンスを与えてもらえる事は非常にやる気が出るものです。新製品の着眼点を具現化するために基礎研究を、研究所の室長の指導を受けながら進めました。

 

1年が経過し頃、その着眼点としていた技術の応用では、目標としている新製品の具現化は難しい事が分かって来ました。このままの方向で進めても、無駄だと判断し、事業場の上司に最終レポートをまとめて報告しました。

 

しかし、上司はウーンと考え込んだ後、もう少し工夫する点はないか検討を継続するように指示したのです。

 

研究所室長やメンバーにも相談しましたが、やはり断念すべきだという結論は変わりませんでした。しかし、何度上司にそれを報告しても止める事も、方向転換する事もなく、同じ言葉を繰り返すだけでした。

 

若いビジネスマンが悩むのは、仕事がきつくて辛いと言った事が多いものですが、こうして何度相談しても方針を出さず、結果的に放置され、飼い殺しの様にされるのも辛いものです。会社や仕事に対する不満ではなく、上司の問題ですが、それでも辞めたいとまで悩みました。

 

そんな悶々とした私を救ってくれたのは、私より数年先輩の研究所の研究員でした。

 

その先輩は上司が無能で、方向性を出せずに放ったらかしにされる事は良くある事で、そんな時は給料をもらいながら好きな事が出来る自由な時間がもらえたと割り切って、腐らず充電する事だとアドバイスしてくれたのです。

 

その先輩の言葉で、悶々としていた気分が霧が晴れるように薄らいでいきました。

 

それから1年間は、元々基礎研究していた要素技術の周辺を固めながら、応用できる新製品の着眼点はないかを考えながら、自由に研究と実験を繰り返し、基礎技術の蓄積に勤めました。

 

研究所に派遣された2年が過ぎ、事業場の職場に復帰し、設計開発系の仕事に戻りました。やがて私を飼い殺しの様に扱った上司は、違う事業部門の営業部門に転出して行きました。

 

それから数年経ち、新たな電子部品の需要が生まれた時、私が蓄積していた基礎技術を応用してヒット商品を生み出す事ができました。

 

この経験から、悩める若手ビジネスマンに言える事は、上司はいつまでもあなたの上司ではない事です。会社や仕事に対する不満ではなく、上司に不満があり辛い時には、軽率に会社を辞めようと考えずに、その上司がいなくなるまで身の処し方を考えて耐える事です。

 

無能な上司によって、気に入っている仕事や会社を辞める事は、考えてみれば非常に腹立たしく、馬鹿げている事です。

 

そんな無能な上司なら、愚痴を言い合える同僚や、身の処し方にアドバイスをくれる先輩もきっといるはずです。我慢して、その上司がやがて飛ばされる日まで耐える事も必要です。